2023年7月号「トウモロコシの虫に食べられない方法を教えて」

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Q.トウモロコシについて、粒剤を穂にかけていても、毎年、虫に食べられてしまいます。虫が入らないようにするにはどうすればいいのでしょう。

A.皮をむいてみると残念なことに虫に食べられていることはよくあります。アワノメイガの仕業です。

暖かくなって5月下旬ごろから蛾が飛んできて葉の裏に卵を産みます。卵からかえった幼虫は、しばらくは葉をかじって生きていますが、てっぺんの穂が出てくると穂を食べて茎に入ってきます。さらに、雌花(実)にも入って粒を食べます。

やがて、茎や実の中で蛹になって、また成虫になって飛んでゆきます。年に3回繰り返し発生し、寒くなるとトウモロコシや近くの雑草を越冬場所にして翌春を待ちます。

防除のコツは、産まれたばかりの幼虫を退治することです。穂の中、幹の中へ入ってしまうと手遅れです。穂につく前に薬剤散布します。

スミチオン乳剤(1B)、トレボン乳剤(3A)、プレバソンフロアブル (28) といった農薬を、葉の裏にまんべんなくかかるよう噴霧します。

防除しても害虫は次から次へと発生します。最初の雄穂が見えたら1回目の薬剤散布をします。2回目は雌花の絹糸が見えた時です。その時は、1回目と違う薬剤を選びます。

先ほど並べた農薬の名前の後にコード番号を付けました。1B、3A、28、これらがRACコードと呼ぶ農薬の作用機構を表すコード番号です。それぞれ、害虫に対して違った効き方をします。つまり、効きが及ばなくて生き残った害虫に、違う効き方の農薬を使うことで防除することができます。

農薬を使いたくなかったら、防虫ネットです。カラスにも食べられませんよ。