2023年2月号「耕すコツを教えて」

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Q.耕すコツを教えてください。

A.野菜を作るとき、まず畑を耕します。かたくしまった土をほぐし、土の中に空気をたっぷり含ませることがポイントです。水はけが良くなり、野菜は土の中に根を伸ばしやすくなります。

土に空気が送り込まれると、酸素を必要とする土壌微生物が活動しやすくなるため、堆肥などの有機物の分解が進み、野菜は栄養を十分にもらえるようになります。

土は、かたい部分とすきまでできています。 すきまには空気と水があります。かたい部分とすきまの割合が半々くらい、さらに、すきまにある空気と水が半々くらいが理想です。

耕さないで野菜を作るとどうなるか。かたくしまった土に種をまいても、思うように育ちません。土の中に十分な酸素がないために根は伸びず、残念な結果になるでしょう。

初めて野菜をつくる土地では、土が踏みかためられていたり、雨でたたかれてしまっています。土の中に空気が少なく、土壌微生物が活動しにくい環境にあります。

かたくしまった土を野菜づくりに向く土に変えるには、耕してすきまを作って空気を含ませます。その際、耕し方を3段階に分けるのがおすすめです。そのコツは、作土層を下から①ゴロゴロ層②コロコロ層③ナメラカ層の3層構造にすることです。

作土層とは野菜が根を張るスペースのことで、ほとんどの野菜は15~168㎝あれば育ちます(ダイコンなどの長い根菜類は約40㎝の作土層が必要です)。

3層構造にすることで、水と空気の通りが自然に良くなり、野菜の根が発達する畑になります。

❶スコップなどを使って、深さ15~16㎝までをザックリと掘り起こして、ゴロンゴロンした状態のゴロゴロ層を作ります。

❷くわや備中で、10~13㎝までをやや粗くし、コロコロの中間層を作ります。堆肥はコロコロ層作りとともに混ぜ込みます。

❸レーキを利用し、表層5㎝を細かく耕し、ナメラカ層を作ります。

土の塊をサクサクと崩しますが、小さな土の塊が残るくらいが良く、サラサラになるまで耕さないことがポイントです。

土を耕しすぎてはいけません。土が細かくなると土の中のすきまが少なくなり、「雨降って地かたまる」というとおり、時間がたつと密にしまって、かたくなってしまいます。大小のかたまりがゴロゴロしている土壌構造をイメージして土を耕しましょう。

耕うん機を使う場合は、1回目は深めに、2回目は浅めに耕すのがコツで、こうすると下層はゴロゴロ、表層はコロコロになります。畝を立てたら、表層をナメラカにならしましょう。