Q.同じ農薬でも野菜によって収穫前日数が違います。なぜでしょう?
A.カブやダイコンの白い肌に茶色い傷が付くことがあります。キスジノミハムシの幼虫が食べた跡です。これらの害を防ぐため、種まき前にダイアジノン粒剤5を畝に混ぜ込みます。ところが、カブに対するこの薬剤の農薬使用基準は、収穫45日前までになっています。品種によっては種をまいてから1カ月ちょっとで食べられるまで育ちます。そのため、農薬の安全使用を考えると、人体に影響があるかもしれません。
同じ農薬でも、収穫前日数や回数が野菜によって違います。トマトやキュウリなど果菜類であれば前日でも、ばれいしょ、ダイコンなどでは前日ではない農薬がたくさんあります。
毎日収穫するようなトマトやキュウリなどでは、一般的に前日まで使用できる農薬が求められています。一方で食べる部分が土の中にあるばれいしょやダイコンなどは、収穫間際まで防除を必要とする病虫害がなく、一度に収穫してしまいます。前日に使用する場合もありますが、基本的には収穫前日まで使用できる必要はありません。
収穫前日数は様々なので、薬剤のラベルをよく見て、間違いの無いようお使いください。
余談ですが、ダイコンは葉を落として売ってます。大きな段ボールが必要になる、洗うのに邪魔、という理由のほか、栄養と日持ちを考えてあります。
大根は畑から抜いても生きています。葉っぱは生長を続けます。そのため、白い根から水分や養分が葉へ吸収されます。葉付きの大根は長持ちしません。
一方、カブは葉っぱが付いたまま売られています。ダイコンの葉と比べて、カブの葉は食べやすく、カルシウムやビタミンCが豊富です。信州野沢温泉を中心に栽培されている野沢菜もカブの仲間です。同じく、小松菜や水菜もそうです。葉も食べましょう、と葉付きで売ってます。
もう一つの理由は、販売陳列台から転がり落ちないようにするためです。