2024年4月号「サツマイモとサトイモのコガネムシ対策は?」

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Q.殺虫剤を土壌混和してサツマイモとサトイモを植え付けしました。収穫したほとんどのイモがコガネムシの幼虫に食害されました。対策を教えて下さい。

A.イモをかじってしまう厄介な虫がコガネムシです。成虫は硬いに覆われ、赤、紫、黒や緑色の光沢を有する色をしていることから、黄金虫(コガネムシ)と呼ばれています。

6月ごろに土中に産卵し、7月ごろ孵化にします。孵化した幼虫は、土壌の有機物をエサにし、エサが不足してくると根を食べ始めます。幼虫は寒くなってくると地下深くに潜って越冬します。暖かくなってくると地上付近に移動して蛹になり、6月ごろに成虫になります。

コガネムシの幼虫は、土中の根を食い荒らします。鉢植えの鉢に産卵された場合、その花や観葉植物がスポッと簡単に抜けてしまうほど根はきれいさっぱり食べられてしまいます。鉢植えのブルーベリーやブドウも被害を受けます。成虫の薬剤防除は難しく、見つけしだい捕殺します。

幼虫は土中にいるため、粒剤を土の中に混ぜるか、液剤を土壌中に散布するようにします。耕していて見つけたら成虫と同様に捕殺します。

鉢植えの場合は土を露出させないようにします。鉢の土が見えていると産卵される可能性があるので、土が露出しないようにダンボールや布などで覆うのも効果があります。

未熟な有機物がコガネムシの好物ですので、畑に使用するとよろこんで卵を産んでいきます。このため、有機物は完熟したものを使用するようにしましょう。

どんな野菜づくりでも言えますが、雑草が害虫の巣になります。畑の周りに雑草があるとコガネムシの巣になってしまいます。できるだけ除草しておくことが、被害を少なくするのに極めて重要です。

サツマイモ畑に土壌混和する殺虫剤は、ダイアジノン粒剤(有機リン系)が一般的ですが、害虫の薬剤抵抗性が付いてしまうと効きません。系統の違うダントツ粒剤(ネオニコチノイド系)の使用をおすすめします。

なお、サトイモの適用農薬は限られていて、植付け前に、ダイアジノンSLゾル(25~50倍、100ℓ/10a)を土壌混和するか、オンコル粒剤5を幼虫が孵化する7月に追肥培土する時に土壌混和します。