Q.庭木の元気がありません。どうすればよいでしょうか?
A.野山の木は、人の手を借りずに育っています。育つ場所だから枯れることなく元気でいます。ミカンがよく実っても、リンゴは海部地域では育ちません。ブルーベリーは専用の土で栽培します。
このように、植物にはそれぞれに適した気候や土壌があります。適地適作と言います。暑さ寒さ、雨の多少、陽あたりなどの条件が合っていれば元気に育つでしょう。
さて、木の生えている野山と庭の違いは何でしょう。気候が同じなら土壌が違うことになります。カチカチの土に対し、ふかふかでしょうか。
豊かな森は、ほどよい水持ちで雨がたまることもなく、落ち葉や下草で有機質が豊富です。そして、ミミズなどの土壌動物、微生物や菌類といった多くの生き物が土の中を耕してふかふかになります。庭を「ふかふか」にしましょう。
まず、水はけを良くします。 雨水がたまるようでしたら、溝を掘って木の周りに水がたまらないようにします。木の周り半径1mほどを深く30㎝ほど起こします。根を切るようでしたら、東西南北4年計画で、1年に4分の1ずつ起こしてゆきます。
起こすと同時に、腐葉土、バーク堆肥、牛糞堆肥といった有機物をすき込みます(3~4㎏)。こんもりと盛土したように仕上げると株元から周りへ水はけがよくなります。季節は問いませんが、冬から春先に作業しておくと良いでしょう。
刈り草や落ち葉など、毎年有機物をあげていれば木の元気は続きます。とはいっても豊かな森と違って庭の土が育てられる力には限界があります。 木が生い茂った庭より、風通しと陽あたりの良い、すっきりした庭のほうが気持ち良くありませんか。
そのために剪定をしましょう。病気や虫の被害を受けた枝、込み入った枝や立ち枝などを整枝します。木のふところまで陽が差して元気になります。となりの木の陰になる枝も落とします。高い木が庭に影を作るようでしたら、毎年の剪定でコンパクトな姿にまとめましょう。
有機質をほどこして土をふかふかにして、剪定で陽あたりを良くする。これで元気のなくなった木も回復するでしょう。