2023年6月号「ダニはどんな被害が出ますか?」

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Q.ダニは、見えないくらい小さい虫と聞きますが、どんな被害が出ますか?

A.ダニと言うと、アレルギーの原因となる虫を思い浮かべるかもしれません。家にいるダニは、植物に寄生することはなく、畳やカーペットにいて、髪の毛やフケ、食べかすなどをエサにしています。

ダニは国内で確認されているだけでも、2千種以上いると言われ、そのほとんどが植物に寄生しています。

葉に寄生するハダニ、新芽につくホコリダニが野菜に付く代表的なダニです。ハダニは体長0.5㎜前後、ホコリダ二は0.2㎜ほどしかなく虫メガネが必要です。

これらのダニは、ナス、トマト、キュウリ、スイカ、インゲンなど、夏野菜のほとんどに発生します。

ハダニの被害は、最初、針で突っついたような点々に色抜けし、症状が進むと点々がくっついて、まだら模様に広がります。

冬越したハダニは、4月~11月の間、葉裏に産卵し、1日に数個から10個、一世代で100個ほどの卵を産みます。孵化した幼虫は3回脱皮し成虫となります。成長速度は温度に左右され、25℃では10日前後で卵から成虫になります。

ホコリダニは、新芽、新葉や蕾など、やわらかい部分を吸汁します。なんとなく新芽の伸びが悪くなってきたら注意です。

被害が進むと、新葉が奇形になったり、新しい葉の展開が止まったりします。ナスでは果実のヘタが褐変します。

夏に多発し、葉裏に卵を産み、幼虫は1週間前後で成虫になって産卵を始めます。繁殖力が高く、小さな新葉に数百匹のダニが寄生します。

いずれのダニも周辺の雑草が越冬場所になるなど発生源となります。畑の周りの除草に努めましょう。また、高温と乾燥を好みますので、晴れの日が続くときなどはこまめに水やりします。 発生初期なら、葉裏に水をかけてダニを落とします。

アオムシなどと違って、取り除けませんので、最終的には薬剤に頼らざるをえません。各種のダニ剤が市販されています。 注意するのは、同じ農薬を連続して使用しないことです。

農薬には効き方の違いを示すRACコードが記されています。 名前の違う薬でも、この番号が同じなら同じ薬と考えてください。

例えば、コロマイト乳剤は6、カネマイトフロアブルは20B、スターマイトフロアブルは25Aです。そして、アグリメックも6でコロマイトと同じ番号で効き方が同じなので、同じ薬を使用することになります。

なお、どんな虫もそうですが、天敵がいます。 ハダニやホコリダニにはカブリダニという天敵がいます。農薬を散布すると天敵まで殺してしまいます。ですが、天敵への影響のない農薬があります。選ぶときには天敵への影響のない薬剤を選ぶとよいでしょう。例えば、先ほどの薬剤では、カネマイトやスターマイトが影響ないとされています。

いずれにせよ、農薬の説明書をよく読んでお使いください。