Q.山や草原では肥料をまいていないのに草花や木が育っています。 なぜ、畑では肥料が必要なんですか?
A.私たちは食事をとることで栄養を補給して生きています。植物は、土の中の栄養を水と一緒に吸い上げて生きています。
山林や野原に生えている草花は、だれの手も借りず、自然に育って花を咲かせます。
一方、畑にある野菜、花壇の花は、手をかけないと、うまく育ちません。
土の中には、多くの微生物がいます。スプーン1杯(5g)に50億個もいるといわれるバクテリアを始め、カビやキノコなど菌類、加えてアメーバやミミズ、ダニ、ダンゴムシといった動物が活動しています。
バクテリアと菌類は、落葉などの有機物を分解し、腐葉土から腐植へと細かく変化させます。土の中の生き物は、これらのエサを食べ、フンをします。そして、死んだら土にかえります。結果、フンや死骸からの栄養分(窒素、リンなど)が植物の生きる糧(かて)となり、リサイクルが成り立っています。
私たちの畑や花壇は、このリサイクルが成り立っていません。だから、もともとある土の中の養分だけでは足りませんので、肥料で補ってやる必要があります。
葉や茎を育てる窒素(N)、花や実のつきを良くするリン酸(P)、根の発達を促し、茎や葉を丈夫にするカリウム(K)、この3要素が特に必要です。ただし、やり過ぎは注意です。肥料をふってしまったら、戻すことはできません。足りなければ後から追肥すればいいわけです。
肥料を多く施せば、たくさん穫れそうな気がしますが、どこかで頭打ちになって、多すぎると倒れたり病気になったりします (収量漸減の法則と言います)。肥料要らずの野菜を紹介します。
エダマメ、パセリ、ピーマン、ニラなどが無肥料でも育ちます。ジャガイモも土寄せすればよく、ミニトマトも可能です。冬野菜なら、ニンジンやハクサイ、ダイコンもできます。