畝づくり
- 畝づくりの考え方
畝は、野菜を栽培するために、良く耕して柔らかくした土を盛り上げたものです。野菜の種類によって、好ましい畝の幅や高さがあり、収穫部位が土中にできるものや直播きで発芽しづらい野菜は、砕土がポイントの一つです。具体的に、もう少し詳しく考えてみましょう。
- 畝の基本
畝幅とは、畝自体と通路を合わせた幅をいい、隣の畝までの幅です。
畝の高さとは、通路の底と畝表面の差です。
条間とは、種まきや苗を植える際の野菜の列どおしの離れ具合で、野菜が大きくなった時に混みあい過ぎず、風通しを確保し病害が発生しにくいように、野菜に合わせて畝自体の幅も考慮して1条であったり、4条であったり、調整します。
同様な考え方で、 整枝方法なども考慮して栽植様式の目安があります。
- 敵の向き
畝の向きは、長い方向に東西畝とか南北畝に、分けられます。基本的に、南北畝の方が野菜に均一に光が当たるため望ましいといえます。気温が高く日照時間が長い季節には野菜の生育差が生じにくく、東西畝でも問題ない場合が多いです。ただ、草丈が高く栽培期間が長いナスなどの果菜類は、隣畝を日陰にしたり、日照時間の短い時期にも栽培が継続するので、南北畝の方が望ましいと言えます。ホウレンソウなど気温が低く、日照時間が短い季節に多条で栽培する野菜は、北側の条の生育が劣り、南側の条の生育が優りやすいので、東西畝は望ましくありません。1条で栽培する野菜の場合には、問題ないといえるでしょう。
- 畝の高さ
畝の高さはホウレンソウなどの葉菜類の場合、10㎝ほどが通常で、乾きやすい畑では低く、過湿になりやすい畑では高めにします。根菜類では、20㎝ほどの高畝として根をまっすぐに伸ばします。
葉菜類や根菜類では、降雨が多く予想される時期の作付けは高畝栽培とします。その理由は、湿害による発芽不良の回避や水とともに移動して発生しやすい軟腐病などの細菌性病害が増えないための回避です。
サツマイモでは、畝をさらに高い30㎝ほどとし、まっすぐなサツマイモができるようにします。
ナスやピーマン、トマトなどの果菜類は、栽培期間が長く、根も多く発生するため、根の張れる場所を十分に確保できるよう、畝の高さは30㎝ほどと高く、畝幅も150〜200㎝と広くします。
- 土の砕土
土を耕す際、丁寧に耕すことで、土の塊は小さくなります。
根菜類の場合、根が伸長する際に土の固い塊りや有機物、肥料の粒なとにあたると、主根が分岐して又根になったりします。そのため、根菜類の作付け予定圃場は、 耕起を丁寧に行って、十分に砕土しましょう。
また、畝に直接種を播く、ダイコン、ニンジン、ホウレンソウなどでは、播種した種の周りの環境次第で、発芽の良し悪しが決まります。その環境とは、温度と水分です。 もちろん酸素も必要です。ダイコンは種が大さくてよく発芽します。しかし、ニンジンやホウレンソウでは、種の周りの水分の安定が発芽に大きく影響します。土を十分耕すことで、種と土の接触面を多くし、水分を安定させます。
その他の注意点として、畝表面に水がたまらないように畝面を整地すること、一斉に揃って発芽するよう種を畝表面から一定の深さに播いて覆土し、種が土と密着するようしっかりと鎮圧します。土が乾かないように敷きわらやもみ殻で覆います。土が乾かないよう朝夕に潅水しましょう。発芽し始めたら、敷きわらはすぐに取り除いて、徒長を防ぎます。