カボチャについて
- 種類
食べられているものの多くが西洋かぼちゃです。 栗のように粉質のホクホクとした食感で、非常に甘くておいしく、色やかたちなど、バラエティに富んでいます。 代表品種には、「えびす」、「みやこ」、「くりゆたか」、「くり将軍」、「味平」など多くの品種があります。輸入品のほとんどもこれらの日本品種です。
日本かぼちゃは水分が多くねっとりとした触感です。 京料理に使われる「鹿ケ谷」が有名で、煮崩れしにくく、だしなどの味付けで味わうタイプです。 他には愛知の伝統野菜である「愛知縮緬かぼちゃ」やスープ材料に適していると言われる「バターナッツ」も日本かぼちゃの仲間です。
3種類目がペポカボチャで、「ズッキーニ」が有名です。イタリア料理や油炒めに用いられますが、汁の具や浅漬けなど和風にも適しています。完熟すると巨大になりますが、食用には開花後3~5日の20㎝以下の未熟果で収穫します。 他にそうめんかぼちゃと言われる「金糸瓜」やハロウィンなどで使われる観賞用の「おもちゃかぼちゃ」などがあります。
- 果実の形
品種ごとに形の特徴があり、固有のものです。ただ、同じ品種でも栽培環境によって形が変わります。着果後数日は肥大せず、その後に果実が縦に伸び、その後に横へ肥大します。
降雨が少なく、初期に低温な場合、果実の縦伸長が少なくなり、果実は偏平になります。逆に、降雨が多く暖かい場合縦伸長が多く、甲高の果実となります。 同じ品種であれば果形による味の違いはほとんどありません。
- 収穫と味
かぼちゃ植物の状態と収穫のタイミングが重要です。葉がうどんこ病などで枯れずにしっかりした状態の株は開花後20〜25日で大きく肥大します。デンプン含有量は20~40日で高まりますがその後徐々に落ちて、逆に糖分が上がります。収穫のタイミングは開花から45~50日が基本で、果梗部のコルク化が進行してひび割れ、果肉は濃い黄色をしています。
未熟な場合、果肉はレモン色です。逆に色が濃すぎる場合には過熟の場合もあります。
収穫した果実は、キュアリングといって、30℃ほどの高温で10日ほど、果梗部を乾燥させるとともに、デンプンの糖化を図り、その後に出荷します。 貯蔵する場合は、10℃が理想ですが、温度変化が小さい状態で貯蔵します。2か月ほど貯蔵できますが、デンプンと糖のバランスの取れている貯蔵30日頃までが食べごろの目安といえるでしょう。
おいしいかぼちゃを選ぶポイントは、果梗の切り口が乾燥してコルクが発達しており、果肉の色がやや濃い黄色で厚みがあり(品種による違いは大きいです)、できている胎座部の種子が充実していることです。
- 果実の色
果実の色も各品種固有のものです。肥料が効いているほど濃く、株元よりに着果した果実の方が遠い果実より色が濃い傾向にあります。
- 栽培の5つのポイント
①良い果実を収穫するために、子づるの12~15節に着生する雌花を梅雨前に授粉を終え、着果させたいです。そのためには4月上旬にマルチをしたトンネル内に定植し、初期生育を確保しましょう。
②適正な基肥の窒素量とすることで、葉を大きくしすぎないこと。着果後に適正に追肥することで草勢を維持しましょう。
③確実に着果させるため、暖かい日の午前中に授粉しましょう。降雨や低温では受精しにくいので、前日から保温に努めて雌花が開花したら、授粉しましょう。
④うどんこ病など病害虫防除を定期的に行い、草勢を低下させない。特に着果後は、草勢が落ちてうどんこ病などが発生しやすいため、気をつけましょう。
⑤開花後日数をめどに適期収穫し、キュアリングしましょう。