2024年10月号「ホウレンソウを食べた時に感じるえぐみは何ですか。」

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Q.ホウレンソウを食べた時に感じるえぐみは何ですか。

A.ホウレンソウには、シュウ酸ナトリウムと呼ばれるアクが入っており、とりすぎると尿路結石の原因になることもあるそうです。

シュウ酸は3分間ゆでることで減らせます。水にさらすだけでもアク抜きはできますが、ゆでるよりもシュウ酸の除去量は多くありません。また、レンジでの加熱だけでは減らすことができません。そのため、レンジで加熱した後は、水にさらしてシュウ酸を洗い流す必要があります。

まず、ホウレンソウの株に十字の切れ込みを入れましょう。切れ込みを入れることで、火の通りがよくなり、根元の砂が落としやすくなるからです。お湯を沸かし、塩を適量加えます。塩を加えることで、ホウレンソウの色味が抜けるのを防げます。沸騰したお湯に根元だけ入れて、30秒ほど待ちましょう。さらに葉先を入れて30秒したら鍋から取り出し、芯が冷めるまで1~2分間冷水に浸してください。最後は水分がなくなるまでしっかり絞り、お好みのサイズにカットして使用します。

根元や茎のピンクの部分には、骨の形成に必要なマンガンや血液を作る鉄分が豊富に含まれているので、捨てずに使うのがオススメです。

また、カルシウムを含んだ野菜と一緒に食べると、シュウ酸の吸収を減らせます。切り干し大根やモロヘイヤ、しそなどがカルシウムを多く含む野菜です。一緒に食べることをオススメします。

モロヘイヤは生でも食べられる野菜ですが、アクが強いため下ゆでしてから料理に使うことが推奨されています。サラダなどに使用する場合にも、できるだけゆでてから調理することがオススメです。

ひとつ注意点があります。モロヘイヤの種子には、毒であるストロフェチジンが含まれています。花や莢にも含まれます(写真)。

ストロフェチジンには強心作用があり、めまいや嘔吐などの中毒症状が出るおそれがあります。

過去には、牛がモロヘイヤの実が付いた枝を食べ、死亡したという事例があります。またアフリカでは、かつて矢毒の成分として利用されていたという歴史がありますよ。モロヘイヤの茎葉以外は、絶対に食べないようにしてください。