Q.100%発芽する種はありますか?
A.残念ながら、ありません。将来は100%発芽を保証された種ができるかもしれませんが現在はありません。
発芽については国の基準や国際基準があり表示の義務もありますので店頭で買ったものは、すべて基準に合格したものです。
例えば、キュウリや白菜は85%、トマト80%、ほうれん草75%、玉ねぎ70%などです。ニンジンは低くて55%が基準になってます。店頭には、これより高い発芽率のものが並んでいます。
種は生物なのですべて同一というわけにもまいりません。同じ両親から生まれた兄弟でも違うように、生物は極めて多様な遺伝子の組み合わせから成り立っています。作物の種は多くの人々の昔からの努力により、目的にあったように改良されたもので人工的に進化させたものです。
身のまわりに生えている雑草のことを考えてみてください。春から夏にかけて除草しても次から次へと芽ばえてきます。一斉に発芽しないからです、一斉に発芽してくれれば一度除草してしまえば次から生えてこないはずです。雑草は子孫を残すために一斉に発芽しない特性を身につけています。
野菜や花の種は、これでは一斉に収穫できずに困ります。人間が効率よく畑で栽培できるように長い年月をかけて改良したものです。
さて、野菜を育ててみようと思ったときに、苗を購入すればよいのか、それとも種から育てるほうがお得なのか、悩んでしまうところです。
結論から言うと、一本の苗から多く実をつける作物は苗から育てることをおすすめします。例えばキュウリやトマトなどがそうです。これらの野菜は次々と実をつけるので、何本も植えてしまうと食べきれないほどの量ができてしまい、うんざりしてしまいます。4人家族なら、キュウリやミニトマトは各1本ずつ、ピーマンやナスは2本くらい育てます。これだけでひと夏の間十分楽しめます。
逆に、一粒の種から一つの作物しか獲れない野菜は種から育てることをおすすめします。例えば、ニンジン、ダイコンやハクサイなどの野菜がそれにあたります。一つしか収穫できないのに、1本数十円の苗を購入すると、割高になってしまいます。
種から野菜を育てるメリットは、何といってもコストが安いことです。数百円の種を一袋購入すれば、一般家庭では食べきれないほどの作物の収穫が見込めます。ただし発芽率は種によってさまざまで、播いた種がすべて発芽するわけではありませんので、多めに播くことをおすすめします。
逆にデメリットは、育苗に手間や時間がかかることです。もしもポットなどで育苗する場合は、まず育苗用のポットやセルトレイと育苗用の培土を用意する必要があります。種まき後は水やりを欠かさず、苗が育ったら畑に移植するという作業もあります。また、畑に直接種をまく場合は、発芽後の成長過程で間引きが必要になる作物もあります。
苗から野菜を育てるメリットは、買ってきてすぐに植えられるということです。そして、すでにある程度作物が成長しているので、植えてから収穫までの期間が短いのも嬉しいポイントです。デメリットは、苗代がコスト高になってしまうことです。